03年7月1日シックハウス法施行

<概要>
7月から着工される全ての住宅が対象となる。残念ながら対象の化学物質は2種類のみとされているが将来全ての化学物質が対象となることを期待したい。

建築基準法第28条の2
居室を有する建築物は、その居室内において制令[建築基準法施行令20条の4]で定める化学物質の放散による衛生上の支障がないよう 建築材料及び換気設備について制令[建築基準法施行令20条の5〜7まで]で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。
 
○居室を有する建築物
居室を有さない倉庫のような用途の建築物には適応されない。なお「居室」とは、「居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する部屋」を言う。居室のみという解釈ではなく、居室を有する建築物全てが対象となる。
 
○建築材料及び換気設備について
規制の対象となる化学物質については「クロルピリホス」及び「ホルムアルデヒド」の2種類のみが規制された。人体に対する有害性が明らかで、且つその対策が可能なものである。   これら以外にも有害性の疑わしい化学物質(VOC)が存在し将来それらが追加されて規制の対象となることが予想される。換気については居室の構造から算出される一定の換気回数を確保する機械換気設備が必要としている。
 
○技術的基準に適合するもの
  衛生上支障のある化学物質を放散させる建築材料を全く使用しないからといって、換気設備の技術的基準の適用除外になるものではない。また建築材料のみならず居室内で使用する持ち込み家具等から発散する化学物質も念頭においている。

 

マンション管理組合の理事さん必見

当機関ではマンション専有部の居住者や管理組合の皆様方から多くの相談をいただいております。また建物不具合や欠陥問題の解消に向けたアドバイスや検査を実施しています。また解決事例をいくつか紹介していますので、是非参考にして下さい。

あきらめずに取り組んで下さい。必ず改善されます。

〔不具合や欠陥の内容〕

○専有部(部屋)に以下の不具合箇所や欠陥がある。
  フローリング床に床鳴りや軋みがあり年々ひどくなる。
  バルコニー等にひび割れがある。
  新築なのに内装のクロスによじれやひび割れ等がある。
  建具に開閉不良が発生している。
  冬場の結露がひどい。
  雨漏り被害がある。
  階上、階下の音がよく聞こえる。
  給排水の流れが悪い。
○共用部に以下の不具合や欠陥がある。
  共用廊下や外壁にひび割れがある。
  漏水現象がある。
  外壁や屋根部のコンクリートが発華(白い粉や液状のもの)している。
  外壁等のコンクリートひび割れ箇所から錆汁が出ている。

以上がマンションにおける特徴的な相談内容です。

概ね5年未満の建物で上記のような現象が見られる事は何らかの設計、施工の手抜きやミスがある可能性が高く通常のアフターメンテナンス(サービス)で捉えるべき内容ではありません。

〔改善と対策〕

  
1第三者検査機関による建物検査予備検査の実施(共用部及び専有部)
  2.
検査報告書に基づく不具合や欠陥等の問題点の整理(建物瑕疵や欠陥の判定)
  3
事業主(売り主)施工者、設計事務所との話し合い(検査報告書に基づく)
  4
「本検査」の実施や補修、検査費用等の負担を定めた合意書の締結
  5
補修工事の監理・監査の実施
  6
住宅の品質確保促進法に基づく既存(中古)住宅の性能評価書の発行

マンション(分譲住宅)とは大切な資産であり、売却時にその価値が判定されます。既存(中古)住宅の「性能評価」(書)は建物の安全、安心のものさしとなり不動産の価格に影響を与え流通を円滑にするものとなります。また、すでに現在の不動産流通における重要事項説明書に「性能評価書の有無」が記載され売買契約に至る重要なポイントとなり取引に影響を与えています。


(1)マンション(共同住宅)のよくある欠陥事例

a 外壁の亀裂
マンションの中期、長期改善計画では通常外壁補修が築10年後と設定されているケースが多い。5年未満の外壁コンクリート等の亀裂は要注意とされる。 放置した場合、白華現象(エフロレッセンス)から鉄筋(鉄骨)部への発錆へと進行し外壁の剥脱へと繋がって行く。 原因はコンクリートの成分比(水・セメント等の配合比)の誤りまたコンクリートの養生期間の不足等が挙げられる。
建物の耐久性に大きな影響を与える。
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b 給排水管の不良
上階等からの排水管の破損による浸水と水が流れにくい等の被害がある。
スラブのコンクリート打設時の配管ミスによるものは補修が困難なケースもあるが、配管継ぎ目等の欠損は取り替えで改善される。 水被害は木材部やコンクリートの強度に影響を与えることがあるため補修後の乾燥作業や防腐、防カビ処理が必要となる。
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c 結露
冬場に多くの相談が寄せられる。通常生活で窓枠サッシ等が水浸しになったり押入れの布団、衣類に湿気によりカビが発生するケースが多い。 古いマンションは特に施工上の観点から断熱性能が不十分になっていることがあり、結露は避けられないことがある。 新たに外断熱施工を実施することにより改善される。断熱施工が困難な場合は頻繁に、通気を行うことが対策となる。
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(1)中期・長期改善計画時のポイント

a 第三者の専門家(資格者)による建物検査を受ける。
・建物不具合や劣化内容が経年による建物検査を受ける。
・改善が必要な場合の正しい補修、保全の提案、また費用等の積算(見積)提示を受ける。

b 住宅の品質確保促進法に基づく「既存住宅の性能評価」を受け、法律で決められた「性能評価書」(注)の発行を受け、資産価値を高める。

(注)「既存住宅の性能評価書」とは?
国が発行する全国統一基準による安全性を示す書類
マンション(それぞれの持ち分)の資産価値が高まり、住宅ローン金利の優遇措置等のメリットがある。また将来の売買時に有利とされている。

共同住宅(共用部分)建物検査概要

1.【目的】
a. 雨水等による漏水箇所の有無及び確認。
b. 屋上等防水の施工状態。
c. 外壁等のひび割れの確認。
d. エントランスホール・外構等、共用部分内・外部の仕上げ状態。

上記事項の検査を行い、建物全体の瑕疵や不具合を判別し、適切な補修を提案する事で建物の耐久性、安全性を確保する事を目的とする。

2.【検査方法】

a. 目視検査
  ・肉眼で建物の不具合等を検査する。双眼鏡を使用する場合もある。
b. 打診検査
  ・打診用ハンマーを使用し壁面、床面を軽く叩き、発生する音で浮きや剥離状態を確認する。
c. コンクリート圧縮強度試験
  ・コンクリートを破壊せずに、コンクリート強度等の数値を測定する。法令で定められた強度
    を維持しているかの検査、シュミットハンマー機を使用する。
d. 漏水検査
  ・住居内に発生している漏水の状況を目視及び撒水試験等を行い確認し、漏水箇所の特定 
       を行う。状況によっては、雨漏り検査協会の協力が必要になる。

3.【検査基準】
a. 建築基準法令
b. 住宅品質確保の促進に関する法律第5条に基づく性能表示基準及び技術的基準
c. 日本建築学会のひび割れ対策指針
d. コンクリート工学協会のひび割れ補修指針

『話し合い、交渉』の事例

事例1(平成12年2月から) 事例4(平成15年)
事例2(平成13年6月から) 事例5(平成16年) 
事例3(平成14年)
事例1(平成12年2月から)
建物概要
築2年の分譲マンション(兵庫県西宮市、全23戸)
事業主:W工務店  施工:M建設  設計、監理:O設計事務所
 
建物瑕疵や欠陥の内容
(共用部)
竣工(引き渡し)当初から共用部(駐車場のコンクリート壁、床のひび割れからの漏水)屋上(パラペット部)のひび割れ等々
(専有部)
フローリング床の音鳴り、軋み 結露
給排水管等からの臭い、建て付け不良、クロスのひび割れ等
 
交渉に至る経緯
・ コンクリートのひび割れ(漏水)発見により管理組合とは別に「建物瑕疵チーム」が結成される。
 
・ 瑕疵チームを中心に事業主、施工者と改善に向けた話し合いを開始する。
 
・ 当該建物を設計したS設計事務所による建物検査が実施されるが、検査報告には(建物瑕疵ではなく当然あり得るコンクリートのひび割れであり、施工ミスではない云々)との報告があった。
 
・ 事業主、施工者と話し合いを繰り返すが、全く誠意ある対応がなく不信をもった瑕疵チームから当センターに相談があり、解決策等をアドバイスする。後日第三者機関として検査の依頼があり建物検査を実施した。
 
・ 同時期に専有部(全戸)にアンケートを実施したところ、予想を大きく超える不具合、欠陥等の指摘が全戸から上げられた。
 
・ 検査報告は共用部に関しては(コンクリートのひび割れ状況は重大な瑕疵にあたり建築基準法令に違反する「要約」)との結論となり、専有部に関しては(床面の不陸(凸凹)は床下地コンクリートの傾斜によるもの)との判定となった。
 
・ 事業主、施工者、設計事務所、瑕疵チーム、管理組合との交渉に当機関が参加する。
 
交渉結果
□ 建物瑕疵を認める。
□ 慰謝料の支払いをする。
□ 第三者検査(本検査)を受けその補修提案等を遵守する。
□ 補修完了後「性能評価書」の発行を受け保証期間等を延長する。
以上の内容を記した合意書が締結された。
現在、合意内容はすべて実施され解決に至る。
 
事例2(平成13年6月から)
建物概要
築4年の分譲マンション(大阪市東住吉区、全67戸)
事業主:N不動産  施工:O組  設計、監理:M設計事務所
 
建物瑕疵や欠陥の内容
(共用部)
竣工1年目で、外壁(タイル貼り)に300箇所を超えるひび割れがある。
(専有部)
数カ所に雨漏り被害発生、床の軋み、フローリングの割れ等
交渉に至る経過
・ 雨漏り被害の苦情を申し立てたところ、施工者がすぐに対応し補修するが、漏水が収まらない結果となる。
 
・ 第三者の一級建築士による検査を依頼、実施するが、住民が納得する検査内容や結果とはならず問題点等を整理するに至らなかった。
 
・ 何度かの話し合いを行うが、事態が進展せず事業主、施工者が弁護士をたてるに至り話し合いや交渉が中断する。
 
・ 管理組合側もやむを得ず弁護士に依頼するが、費用がかさむばかりで事態は改善の方向へと進まない状態となる。(その間約1年)
 
・ 当機関に平成14年に住人の一人から相談がある。
  
・ 当機関の担当者が住民総会及び理事会に参加し対策等のアドバイスを送る。

  《アドバイス内容の要点》
□ 建物が鉄筋コンクリート造りであり、漏水はすでに建物内部に廻っている可能性が高
     く、速やかに第三者検査による止水処理が必要である。
□ 建築士と云っても建物検査や評価の専門家でなければ、何が瑕疵や欠陥に相当する
    のかの判定が困難となる。
□ 建築法令に疎い弁護士同士の話し合いに委ねるべき内容ではなく、また調停や裁判
    と云った方策を選択すべき瑕疵や不具合ではない。
□ 当事者による話し合いや交渉に戻す必要がある。


アドバイス内容に沿って、再度事業主、施工者と話し合いが持たれ当機関も参加する。
 
交渉結果(合意書参照)
□ 事業主及び施工者は本件建物に瑕疵があることを認める。

□ 管理組合側が支払った弁護士費用、建築士費用を事業主、施行者が負担をする

□ 第三者機関による建物検査(雨漏り検査を含む)を実施し、検査報告による補修を実施する。補修の際は第三者機関による補修工事監理、監査を受ける。また、それらに要する費用等もすべて事業主、施行者が負担する。

□ 管理組合に対し金○○○円の迷惑料を支払う。

□ 住宅の品確法に基づく「既存住宅の性能評価」を受ける事により資産価値の下落を防ぐ。また、それら費用も事業主、施工者が負担する。

合意書の締結により、速やかに検査、補修作業が実施され平成15年4月すべての合意内容が実行された。現在に至るも雨漏り、ひび割れは発生していない。
事例3(平成14年)
建物概要
築1年の新築分譲マンション(大阪府堺市、全122戸)
事業主:N不動産  施工:O組   設計、監理:W設計事務所
建物瑕疵や欠陥の内容
(専有部)
96戸の専有部から床鳴り被害が発生
交渉に至る経過
  • 平成14年建物引き渡し時よりフローリング床の軋み、音鳴りが始まる。
  • 施工会社がフローリング床にオイル注入等を繰り返すが、軋み、音鳴りが解消しない。
  • 管理組合と別に「床鳴り対策の会」が結成される。
  • 多くの公益団体や弁護士に相談するが、解決の糸口が見いだせない状態が続く
  • 当機関に相談の後、数戸の専有部を検査する。
  • 検査報告(書)によりフローリング床の問題点が指摘される。
      1.フローリング材そのものが不良品であること(JASS規格違反)
      1.施工(床の張り方)に誤りがあること
      1.オイル注入等では床の安全性が確保されないこと(一時的な処置)
  • 事業主、施工者、設計事務所、管理組合及び対策の会との交渉に当機関が参加する。  (話し合いは4ヶ月に及んだ)
  • 交渉結果(合意書参照)
  • 床鳴り被害に対し、また不適切な説明や補修を実施したこと等に対し謝罪する。
  • 「調査報告書」の通り床材を変更し、すべて貼り替える。
  • 貼り替えの際は、第三者の検査を受ける。
  • 任意の話し合いで合意し、調停や裁判とはしない。
  • 「貼り替え」を希望しない住民には金銭補償する。
  • 全戸に迷惑料を支払う。
    床鳴り被害は住む人に精神的苦痛を与え、2次的な被害を与えていたケースが多くあった。
    そのため、本マンションでは複数人が買ってすぐ売却を与儀なくされており施工者の対応の酷さを改めて問わざるを得ないケースとして特筆される。
  • 事例4(平成15年)
    建物概要
    築6年の分譲マンション(大阪府吹田市64戸)
    事業主:O商社  施工者:H工務店  設計、監理:Z設計事務所
    建物瑕疵や欠陥の内容
    (共用部)
    コンクリートの被り厚不足によるひび割れ
    地下駐車場の漏水(雨漏り)
    (専有部)
    数戸の専有部に雨漏り発生
    ローリング床の波打ち、撓み
    交渉に至る経過
  • 新築3年〜4年で数戸の専有部に雨漏り被害が発生する。
  • 施工業者が取り急ぎの補修を行い、雨漏りそのものは収まったが管理組合が建物検査を要望する。
  • 事業主及び施工業者が第三者検査機関としてY社を選定し、建物検査が実施される。
  • 検査結果報告は雨漏り補修は適正であり、建物瑕疵や漏水、ひび割れ原因には触れられなかった。
  • 検査結果報告書が当機関に持ち込まれる。
  • 「コンクリートの被り厚検査」において法令を下回る数値が発見された。
  • 管理組合、事業主、施工者、設計事務所との話し合いに当機関が管理組合のアドバイザーとして参加する。
  • 話し合いにおいて事業主側が被り厚不足が重大な法令違反である旨を認め、再度建物主要構造部(柱、梁等)のコンクリートの被り厚検査等を実施する事となった。
  • 調査結果は柱、梁の複数箇所において法令(最低基準)の被り厚不足が判明する。
  • 事業主、施工会社の取締役が管理組合に謝罪する。
  • 交渉結果(合意書参照)
  • 当機関が提案する補修、保全案を認め速やかに補修する。
  • 仮住まい希望者には仮住まいを認め、それら費用を負担する。(ペットも含む)
  • 管理組合に慰謝料を支払う。
  • 補修や補修後の点検は管理組合が指定する検査機関に委託する。
  • 補修工事後から20年間の保証期間を定める。
  • 全戸に対して「既存住宅の性能評価」を実施する。
  • 一切の費用は事業主の負担とする。
  • 事例5(平成16年)
    建物概要
    築8年の分譲マンション(横浜市、全32戸)
    事業主:M不動産  施工者:D建設  設計、監理:D建設
    建物瑕疵や欠陥の内容
    (共用部)
    1oを超える外壁コンクリートの無数のひび割れ
    (専有部)
    バルコニーや天井からの雨漏り
    漏水による部材の腐蝕、発カビ等
    交渉に至る経過
  • 築3年目ぐらいから、数戸の住戸において雨漏りが発生する。
  • 施工者が事実上倒産していた事から、改善が進まなかった。
  • 事業主もサッシから雨水のオーバーフローであると取り合わなかった。
  • 築5年目〜6年目に至り、全住戸の7割から漏水が発生した。
  • 管理組合の理事長が改善の取り組みに否定的なため、新理事長を総会で決議した。
  • 住民有志が事業主会社へ直接交渉に行くが、対応に誠意がなく時間が経過していった。
  • 当機関に相談があり、建物検査が実施された。
  • 調査報告(書)にて、ひび割れの状態が建物瑕疵に相当すると判定された。
  • 事業主と話し合いを持つが、2回目以降は逃げ回り交渉が難航した。
  • 管理組合、被害住民が提訴(当機関が鑑定書作成)
  • 交渉結果(合意書参照)
  • 訴訟から調停へ移り、賠償額(補修費等)で相当の開きがあったが、当機関の補修相当額(積算資料)の一部が採用され和解した。
     
  • 毎月1回の裁判(調停)は住民側にとって心身共大変な作業となったが、最低限の補償を勝ち取る事はできた。
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